富士山の頂上から火口内に降りてみた人のブログを見つけた。
「鴨の気持ち」さんのブログにその写真が載せられている。
火口内から虎岩を見上げた写真をお借りした。それがこれ ⇓
富士山火口-虎石
そして「鴨の気持ち」さんがこの岩の形を描き足したもの。
富士山火口-虎石図
「ほんと虎でした」とコメントが書かれている。
この岩を火口側から見れば顔が下になり、虎が蹲(うずくま)っているように見えるわけだ。
都良香の富士山記に書いてある通りなのだから、この人も火口内から見上げたことになる。
これが偶然のはずはない。
都良香本人が富士山山頂に登ったとも思えるが、様子の描写が少しズレているようだ。
本人でなくても少なくとも身近な人が登って頂上の様子を説明したに違いない。
聖徳太子や役小角の記録では頂上の様子は書かれておらずやはり行ったかどうか証拠がない。やはり現場にいた人でなければ分からない情報がないと信用しにくいね。
「富士山記」には875年に麓の村人が祭りの時に頂上に天人を見たと日付が明記されているが、だれが・いつ富士登山したかの記録が無いのが残念。
都良香が書いた時点で頂上まで登った人は既に何人かいたため日付を記録するほどのものと思えなかったのかもしれない。
しかしとりあえず、これが富士山の最初の登頂者の記録と考えられるだろう。
都良香は879年没なので最初の登山者は870年頃としておこうと思う。

現在の富士山頂上の写真がこれ。
富士火口-2
左上に火口内に突き出している岩が見られる。これが虎岩だろう。
875年頃に書かれた「富士山記」の後は頂上からの大きな噴火が無かったため火口の形はほぼ当時のままと思われる。